今の車に乗り続けるならば、タイヤ交換は避けては通れません。
タイヤの交換時期を自分で確認できないと、法律違反になってしまったり、事故に直結してしまう可能性があります。
また、不要なタイヤ交換のために高額な出費をしてしまうこともあります。
この記事では、タイヤの交換時期をセルフチェックする「4つのチェックポイント」をご紹介します。
タイヤ交換はなぜ必要なのか?
そもそも、タイヤはなぜ交換しなくてはいけないのでしょうか?
タイヤを交換する明確な理由があります。
タイヤの交換時期が過ぎれば、性能が極端に悪化する
最も大事な理由は、とても単純で「タイヤの性能が極端に悪化してしまう」からです。
タイヤはゴムでできているため、「摩耗」や「硬化」が必ず発生します。そのままの状態で使用し続ければ、本来の性能を発揮できず、事故に直結してしまいます。
とくに下記2点は注意が必要です。
- 制動距離が長くなる
ブレーキを踏んでから停止するまでの距離が延びる - ハイドロプレーニング現象が発生しやすくなる
雨の日に排水が効率よく出来ずに、タイヤと地面の間に水が入り込み、車が水の上に「浮いた」状態となり、制御を失う現象が発生する
これらの理由から、定期的なタイヤ交換が必須であると言えます。
バーストの危険がある
劣化した状態でタイヤを使い続けていくうちに、空気を保持することができなくなりバーストしてしまいます。
走行中にタイヤがバーストすると大事故につながる可能性が高く非常に危険です。
バーストする前にタイヤ交換を済ませておく必要があります。
溝1.6mm以下は法律違反
道路運送車両法により
タイヤの全周で溝が1.6mm以上の深さがあること
と定められており、溝の深さが1.6mm未満であれば道路運送車両法違反になります。
溝が1.6mm未満まで摩耗すると、タイヤの性能が発揮できないため、定められているのでしょう。
もちろん、1.6mmは最下限値でなので1.6mm以上だから全く問題ないと判断してしまうのは良くありません。
タイヤの交換時期の目安
タイヤ交換を実施しなければいけない理由は理解できたと思います。
それでは、タイヤ交換時期の目安ってどのくらいなんでしょうか?
走行距離が32000kmに達した時
新品のタイヤの溝は約8mm程度ほどあります。
下限値の1.6mmまで摩耗したとすると、8mm – 1.6mm = 6.4mm摩耗するまで走行できることになります。
タイヤは使用状況によって大きく変化しますが、5000km走行すると1mm摩耗します。
ですので単純計算で6.4mm × 5000km/mm = 32000km 走行すると溝が1.6mmになります。
理論上の話ですが、おおまかな感覚を頭に入れておくことはとても大切です。
夏タイヤの消費期限は4〜5年
タイヤはゴムでできているので、使用していなくてもゴムが劣化してしまいます。
とくに「紫外線」「高温多湿」「油汚れ」はタイヤを劣化させる要因になります。
通常装着している夏タイヤの寿命ですが、タイヤメーカーの推奨は製造から4〜5年以内です。
冬タイヤの消費期限は3〜4年
冬タイヤ(スタッドレス)は、夏タイヤに比べて使用期限が短く設定されています。
メーカーが推奨している冬タイヤの消費期限は、製造から3〜4年以内です。
また、冬タイヤは半分以上摩耗すると雪道での使用は推奨されていません。
タイヤの交換時期を確認する4つのチェックポイント
それでは、タイヤの交換時期を確認するチェックポイントについて説明します。
たった4つの項目を確認すれば、タイヤの交換時期を自分で判断できるようになります。
その1:残り溝深さでチェック
タイヤにはスリップサイン(スリップインジケーター)と呼ばれる印が付いています。
スリップサインを確認すれば、残り溝の深さが1.6mm以下になっていないか簡単に確認できます。
- はじめにスリップサインがある位置を確認
- スリップサインを目視する
- タイヤ4本の全周で確認
スリップサインのある位置は、タイヤサイドの「△」のマークがある付近です。
スリップサインをよくみて、溝の深さを確認しましょう。溝の深さが1.6mm以下の場合、走行することはできません。また、1.6mm以上あった場合でもすぐに1.6mm以下になりそうであれば、タイヤ交換の準備を進めましょう。
前輪駆動車は前輪のタイヤが摩耗しやすいもの。タイヤは取り付け位置によって摩耗の程度が違います。また同じタイヤでも、1周で摩耗の程度が異なる可能性があります。ですので、タイヤ4本の全周でスリップサインを確認しましょう。
その2:走行距離でチェック
今のタイヤを使用し始めてからの走行距離を確認しましょう。
ディーラーやカー用品店で購入の場合は、車検証と一緒に保管している整備記録簿や、カー用品店の領収書などから前回タイヤを交換した時期や走行距離が確認できると思います。
新車から一度も変えていない場合はオドメーターを確認しましょう。
約32000kmに一度タイヤ交換が必要になってくると想定すると、大まかなタイヤ交換時期を予測することができます。
すでに32000km以上走行している場合、入念にタイヤを確認するようにしましょう。
その3:消費期限でチェック
タイヤの消費期限は、製造時期から4〜5年です。
また、タイヤの製造時期はタイヤのセリアルで確認できるので、製造から経過した期間を確認しましょう。
写真のように4桁の数字から、製造年と製造週を知ることができます。
5年以上使用している場合、タイヤ交換を強くお勧めします。
詳細を知りたい方は下の記事をご確認ください。
タイヤの製造時期は側面をみればすぐにわかることを知ってましたか? タイヤには「セリアル」と呼ばれる、製造時期を記す必要があります。そのため、タイヤを購入する際に確認したいセリアルについて元タイヤメーカーエンジニアのやんきちが解説します。 […]
その4:見た目でチェック
続いて、見た目でタイヤを確認しましょう。確認するのは以下の点についてです。
- 釘などが刺さっていないか
パンクの原因になります。刺さった釘が穴を塞いで空気が漏れていない場合もありますが
走行とともに穴が広がりパンクの原因になります。 - トレッド部分に欠けや損傷がないか
タイヤの損傷で最も多いのがトレッド部分が剥離する損傷です。ゴムが剥がれていないか目視確認しましょう。 - 偏摩耗はないか
- ひび割れのレベルは問題ないか
タイヤは使っていくうちにひび割れていきます。少しのひび割れですぐにタイヤ交換というわけではありません。
自分のタイヤのひびがどのレベルに該当するのか確認し対応の有無を確認しましょう。
- 傷はないか
タイヤが破損するほど大きな傷がないか確認しましょう。タイヤ側面を、歩道の段差などで擦ってしまった場合傷を確認しましょう。
タイヤを長持ちさせる方法
4つのチェックポイントでタイヤ交換の要否が判断できたかと思います。
タイヤ交換が必要であった場合でも、このまま継続して使えると判断できた場合でも、できるだけタイヤを長持ちさせることができれば、お財布にもやさしいですよね。
続いてはタイヤをできるだけ長持ちさせる方法をご紹介します。
定期的な空気圧の確認を実施する
タイヤの空気圧が減った状態で走行すると、ありとあらゆる側面でタイヤにダメージがかかります。
月に一度はタイヤの空気圧を確認し、適正圧に保ちましょう。もっと詳しく知りたい方は下記の記事を参考にしてください。
もえやん タイヤの空気って見た目で判断できるの? しばらく空気入れてないけど、いつ入れたらいいかわからない、、、 見た目で判断する方法を教えて欲しい やんきち もえやんはタイヤの空気を入[…]
タイヤローテーション
タイヤを長持ちさせる方法の2つ目が、タイヤローテーションです。
タイヤの設置位置により、摩耗しやすい部分が変わってきます。ローテーションを実施することで、タイヤを均等に使用でき、タイヤを長持ちさせることができます。詳しくは下記の記事を参考にして下さい。
タイヤローテーションでタイヤが長持ちすることを知ってましたか? 車の維持費はできるだけ抑えたいもの。車の維持費の中でも特に費用がかかるものの一つに「タイヤ」が挙げられます。タイヤを長持ちさせるように使用することで車の維持費を簡単に下げるこ[…]
直射日光等をさける
タイヤは紫外線で硬くなってしまい、ひび割れの原因になります。できるだけ直射日光を避けた位置に車を駐車させましょう。
直射日光を避けた場所に駐車することが難しい場合、駐車する向きを変更することで日光を避けたり、片側だけに日光があたり過ぎてしまうことを防ぐことができます。
タイヤを保管する場合も直射日光を避けた場所に保管しましょう。
タイヤの保管方法についてはこちらで解説しておりますので、興味のある方はご確認ください。
「急」を避けた運転
運転の仕方によってもタイヤを長持ちさせることができます。
「急」がつく運転はタイヤだけでなく、同乗者や車にもダメージを与えてしまいます。
「急」がつく運転は避けましょう。
- 急発進
- 急ブレーキ(急制動)
- 急ハンドル
丁寧な運転を心がけることは、タイヤにも、同乗者にも、車にも優しいのでお勧めです。
燃費も向上するので日頃から意識してみましょう。
タイヤを安く交換する方法
チェックポイントでタイヤの交換が必要と判断した場合に、タイヤをお得に交換する方法をご紹介します。
慌ててディーラーや近くのカー用品店やガソリンスタンドなどに行ってしまうと交換費用がかなり高くなってしまいます。
さらに、お店の売りたいタイヤを装着することになり、自分の車にぴったりではないものを選んでしまう可能性があります。
下の記事で紹介しているのはインターネットでタイヤを購入し、持ち込み作業を実施してもらえるお店でタイヤ交換を実施する方法です。
できるだけ費用をおさえつつも、安全・安心にタイヤ交換をすることができます。
もえやん 「車のタイヤを交換した方がいいって言われたけど、どうやって変えたらいいの。どのタイヤを選べばいいのかわからない・・・。タイヤってネットで買うと安いって聞いたけどやり方がわからない。でもできるだけ交[…]
まとめ
タイヤは交換時期がくれば必ず実施しなければなりません。
本記事では、タイヤの交換時期を自分で確認できるチェックポイントを4つご紹介しました。
自分でチェックすることで、交換時期を逃してしまったり、不要な交換をするといったことがなくなります。
みなさんもタイヤをセルフチェックして安全・安心で快適なカーライフをおくりましょう!
質問はTwitterで受け付けますのでお気軽にどうぞ
https://twitter.com/yankichitire
以上、やんきちでした。