窒素充填って本当に必要?

元タイヤメーカーエンジニアのやんきちです。

今回の話題は、タイヤの窒素充填についてです。窒素充填ってご存知でしょうか?

知らなかった人も窒素充填について学べるように、知っていたけど実際どうなの?って方にはその回答をお伝えできればと思います。

早速なんですが、元タイヤメーカーエンジニアの僕の結論を最初にお伝えしますと、

タイヤの窒素充填は必要ないです
いやいや、でもタイヤ屋さんとかお金をとってやっているのに、そんなわけないでしょと思われるかもしれませんが
これが僕の結論です。ここからはその理由について解説していきたいと思います。

窒素充填って何?

まずはじめに窒素充填について説明します。窒素充填とは、タイヤに空気を入れる代わりに窒素を入れることを言います。

  1. タイヤの空気が抜けにくい
  2. タイヤが劣化しにくい
  3. ロードノイズが低減する

などのメリットが挙げられています。カー用品店やタイヤ専門店で窒素充填してもらうと、価格は一本当たり約500~1000円+税くらいで実施してもらえます。4本で2000~4000円くらいですね。タイヤ交換の際などに咄嗟に窒素充填しますか?などと聞かれても判断に迷ってしまいますよね。ですのでここで正しい知識を皆さんにお伝えできればと思います。

空気の約8割は窒素

僕が、窒素充填が必要ないと考える最大の理由が、空気の約8割が窒素だということです。大気の構成比は約78%が窒素で約21%が酸素、他の物質は1%に満たない量しか含まれていません。ですので、わざわざ窒素を充填しなくても普通に空気を入れるだけで、タイヤの中の空気の約8割は窒素が入っていることになります。そう考えると、空気が抜けにくい、劣化しにくい、ロードノイズが低減するなどの効果があるのであれば、その約8割の効果をすでに享受していることになります。なので、僕はあまり窒素充填をお勧めしていません。

もし、窒素と酸素で酸素の方が空気が抜けやすいのであれば、タイヤの空気が減ったとき、タイヤ内部の空気は窒素が大半になっているはずです。そこに通常の空気を補填して、また酸素だけが抜けていく。これを繰り返せば、勝手にタイヤの中の空気は窒素で満たされることになりますね。セルフ窒素充填の完了です笑

でも実際そういうことはおこらないようです。なので、窒素充填をわざわざ選択する必要はないのかなとおもいます。

 

空気が抜ける原理

それでは、そもそもタイヤの空気ってなんで減るのでしょう?空気の減らないタイヤがあればそれでいいのにって思いますよね。

ところでみなさんどうして風船の空気が抜けるか知ってますか?

僕は小さい頃、お母さんに買ってもらったヘリウムガスが入ったプカプカ浮かぶ風船が大好きでした。でも萎んでしまうのが嫌で、風船の空気の出入り口を輪ゴムを駆使して一生懸命縛ってました。それでもだんだん風船が萎んでしまってとても悲しかったことを覚えています。

実は、風船というものは結び目から空気が漏れているわけではなくて、ゴムを透過して中のガスが漏れていってしまっているんです。ゴムは伸び縮みする性質上、拡大すると小さな小さな穴が空いていて、その穴からガスの分子が漏れ出ていることを学びました。

タイヤも風船と同じで、バルブやホイールとの隙間から抜ける空気もありますが、タイヤのゴムを透過して空気が抜けていってしまいます。そのため、抜けるのを防ぐことは、なかなか現実的ではありません。それでも空気が抜けないようにメーカーは必死に開発していますが、現状はお客様に定期的に空気をいれてもらうことしかできません。

ちなみに、窒素と酸素の分子サイズはそれぞれ0.36nm, 0.35nm(ナノメートル)でほぼほぼ分子のサイズに違いはありません。

この事実を考えると、窒素だから空気が抜けないと考えるのはなかなか難しいですね。

 

窒素充填を実施しているお店がなくならない理由

あまり効果がないと思われる窒素充填ですが、それでも実施しているお店がある理由はずばり儲かるからです。窒素は大気中にたくさんあります。もちろん窒素充填をする窒素は工業用の窒素ガスではありますが、それでもその原価は非常に安く数十円程度でしょう。それをタイヤに入れれば、2000~4000円になるので良い商売ですね。なので、お店としてはお勧めしたいオプションになるわけです。かといって、窒素充填を実施しているお店が悪徳かと言われればそういうわけではありません。

実際に効果があるかは正しく計測できませんが、それでもお金を払って満足して帰っていくお客さんがいらっしゃるなら問題ないと僕は思います。ただ、この記事を読んでくださったみなさんには、正しい知識で自ら判断していただきたいと思っております。

窒素充填以外の解決策は?

最後に、窒素充填に効果がないのならどうしたらいいのか解説したいと思います。

結論は、

定期的にタイヤに空気を入れてください

結局のところ、タイヤの空気圧を適切に保つ方法は、定期的にタイヤに空気を入れることです。あとは空気を入れなくても良いタイヤをタイヤメーカーが作ってくれるのを待ちましょう笑

とはいってもタイヤに空気ってどうやって入れるの?って思われる方のために、今後空気の入れ方についても解説していきたいと思います。

僕がお勧めする方法は、定期的にセルフじゃないガソリンスタンドに行って、店員さんに

「タイヤ空気圧確認してください」

とお伝えすることです。お店によっては実施してくれないところもありますが、やってくれるガソリンスタンドを探してお願いするのが一番簡単な方法だと思います。セルフのガソリンスタンドは確かにリッターあたり数円安いですが、一回の給油で40L給油したとしても、缶コーヒー代くらいの違いです。窒素充填に2000~4000円を払わずに済むのであれば、月に1回くらい有人のガソリンスタンドで、給油するついでに空気も入れてもらうのが良いのではないでしょうか。

 

ということで、今日はタイヤの窒素充填について説明しました、みなさんのカーライフがより豊かなものになることを祈ってます。
それではまた!
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